INTERVIEW #2
新規事業立ち上げに関わった部門の責任者に。若手管理職としての成長
小川浩一さんは2009年に東京ソワールに入社し、卸売部門での百貨店営業を経てレンタル事業の立ち上げメンバーとなり、現在では部門の責任者としてチームを牽引しています。新規事業立ち上げに至るまでのエピソードや自社製品への想い、管理職としてのやりがいなどについて伺いました。

新規事業立ち上げを経て、部門責任者へとキャリアアップ
東京ソワールの新規事業への取り組みと、小川さんが携わっているレンタル事業の立ち上げ時の話をお聞きします。
東京ソワールの新規事業への取組み
- 最初に現在責任者を務めるレンタル事業の立ち上げの経緯を教えてください。
小川:
大きなきっかけとなったのは、冠婚葬祭のカジュアル化が広まり始め、フォーマルウェア市場全体に鈍化の兆しが見えてきたことでした。
当社ではフォーマルウェアの卸売を主力事業としていましたが、卸売以外の新たなサービスを考え始めていました。そんな中、ある百貨店様から「レンタルサービスもやってみないか?」とお声がけをいただきました。
そこで、百貨店の営業担当が兼務する形でレンタルサービスを開始したところ、徐々に数字が伸びてきたため、正式に事業化へ舵を切ることになりました。
私個人の話でいえば、その時期にちょうど名古屋から東京本社に異動していたため、このレンタル事業の立ち上げに参画する運びとなりました。
- 東京ソワールでは新規事業への取組みが積極的に行われているのでしょうか。
小川:
そうですね。当社は、基本的に新規事業の立ち上げには積極的な会社で、どんどん新しいことにチャレンジする空気感があります。会社の方向性も社員に明示されるので、自身のキャリアビジョンが明確になりますし、モチベーションの活性化にもつながっています。
入社10年目で新規事業立ち上げのメンバーに抜擢
- レンタル事業の立ち上げにあたってどのような役割や業務を担当されましたか。
小川:
参画後すぐに新たな店舗開業と、ECサイト開設という2つのプロジェクトを担当しました。
店舗開業に関しては店舗の施工や資材購入、スタッフの募集と育成、自社商品の社内発注や仕入れなど、あらゆることに対応しました。当初は最低限の予算しかなかったため、私が店舗に立って接客も行いました。店舗の業務に関しては、百貨店での営業経験が活かされたと思います。
また、本格的に事業化するにあたり、店頭で直接商品を受け渡しする方法に加え、ECサイト経由の配送も実現できるよう仕組みを考えなければならない状態でした。これは本当に未知の領域だったため、私自身にとっても大きなチャレンジで、やりがいも感じました。最終的にはECサイト開設から仕組みづくりまで、すべての作業を短期間で進めて3ヵ月後にはサービスを開始しました。
リリースまでの期間が短くハードではありましたが、なんとかやりきれたのは現場の判断でプロジェクトを進められたことが大きかったと思います。これは当社の魅力だと思っているのですが、裁量を持たせ、現場を信頼している空気感が強いです。そのため、作業自体は進めやすかったです。
レンタル事業を通して再確認した自社製品の良さ、大切にしたいこと
- レンタル事業の立ち上げから現在までの、印象的なエピソードを教えてください。
小川:
一番印象的なのは、やはりECサイトの開設です。
サイトの構築自体は外部にサポートしてもらいましたが、商品が多く更新頻度も高いので、更新作業は社内で対応したほうが早いという話になりました。当時はノウハウがなかったのですが、本を読んだり、HTMLを実際にいじりながら覚えたりして、何とか自分たちで運用できるようになりました。必死に勉強してもがいていたあの日々も、今となっては楽しい思い出です。
また、商品のメンテナンス業務も、百貨店営業では経験したことがなく新鮮でした。レンタルから戻ってきた商品をクリーニングし、破損個所などを修復するメンテナンス業務は、顧客満足度に直接影響します。最初の頃はクリーニングの仕上がりに満足できず、クリーニング業者の現場に出向いて作業を見せてもらい、問題点を話し合うこともありました。
結果的には、目に見えて仕上がりが良くなりました。今でも定期的に出向いてコミュニケーションを取るようにしていますが、今までになかった視点を持つことが大事、ということを学べる良いきっかけになりました。
- レンタル事業を通して新たに気付いた点はありますか。
小川:
レンタル事業を展開するうちに、「やっぱり、東京ソワールの商品はいいなあ」と感じる機会が増えました。どの商品を見ても縫製は綺麗ですし、生地の選び方や縫製が良いのか、何回クリーニングしても新品みたいに仕上がります。他社から仕入れた商品と比較するとその差は歴然なんですよね。レンタル事業を通して、自社商品の品質の高さ、素晴らしさを実感しています。
一方で、自社商品のなかでも、色が抜けやすいとか特定の箇所が弱い商品に出くわすことも時々あります。このような新たな課題を発見できた点も良かったです。
- 販売とレンタルではやりがいにも違いはありますか。
小川:
販売の良さは何といっても商品が手元に残ることだと思いますが、やはりある程度のお値段になってしまうのがネックです。レンタル事業を展開したことで、フォーマルウェアをより身近にお使いいただけるようになりました。例えば、結婚式でお母様の衣装を一式そろえると15万円ほど必要なこともありますが、レンタルであれば5~6万円でご用意できます。
最初は「手元に残らない商品にしては、料金設定が高くないか?」と懸念もありましたが、お客様からはご満足の声を多くいただき、レンタルにはレンタルの価値があるのだなと実感しました。お客様が着たいときに、高品質な商品をコストを抑えて提供できることが、レンタル事業のやりがいといえます。

積み重ねたスキルと管理職になって変わったこと
次に営業職から新規事業立ち上げに至るまでに、小川さんが身につけたスキルや仕事への考え方、そして管理職になったことでの自身の変化についてお聞きします。
積み重ねたスキルの強み、キャリアアップによる成長
- これまで経験した仕事を通して身につけたスキルを教えてください。
小川:
私は今まで大きく分けて百貨店営業とレンタル事業の2つを経験してきました。
百貨店営業では、商品や販売に関する知識とともに、お客様との関係性の大切さを学びました。営業では、ただトークスキルを高めるだけでは不十分で、深い部分まで商品を理解した上で、お客様にその魅力を伝えるスキルが求められます。常に「何を、どのように伝えれば商談が成功するか」を考えていたので、交渉力や決断力が身についたと思います。
そして新たに挑戦したレンタル事業では、ECサイトの構築やレンタル事業特有の商品管理、スケジュール管理やリスク管理などを経験しました。未知の領域でしたが、おかげでHTMLやサイト構築のスキルを身につけられ、レンタル事業ならではの視点も得られました。
- 管理職になってどのような変化がありましたか。
小川:
仕事の内容自体はそれほど変わっていませんが、管理職になって事業に対する責任が当然重くなったので、自分が舵取りをしなければ事業自体が破綻するかもしれない、という想いは強くなりました。スポット的な業務や短期的な業務はどんどん部下に任せて、自分は事業全体を俯瞰で捉え、基盤をしっかりと支えられる動きをするようにしています。
実は、元々は仕事を人に任せるのが苦手で、できれば自分が全部やりたいタイプでした。管理職の立場になってからは、「俺がやるからいいよ」と言いそうになる自分を必死で止めていることもあります。
その代わりに、自分の気持ちや事業のビジョンを明確に伝えて、課題解決への共通認識を持ってもらうことを心がけています。
信じて任せてくれる上司と頼れる先輩に感謝
- 管理職としては若手ですが、上司や周囲の方からのサポートはありますか。
小川:
上司は、基本的に私のことを信じて任せてくれています。たまに目先の仕事に追われているときには、「話す時間つくれる?」などと声をかけていただき、視野が狭くなっていることに気付かせてもらえるので感謝しています。
上司以外にも、目をかけてくれている管理職の先輩もいます。私が行き詰っているときには役立つ情報をくれたり、違う視点からのアイデアをもらったりしています。私から見てもかなり多忙な方なので、食事に誘ってくれて話せる時間が私にとっては本当にありがたいです。

「好き」からつながる仕事。自社商品に愛情を持って働ける楽しさ
最後に、就職活動をしていた頃のご自身を振り返って、これから社会に出る皆さんへのメッセージをいただきました。
- 就職活動中の学生さんへのメッセージをお願いします。
小川:
就職活動をしているとき、自分は何が好きなのかと何度も自問自答しました。私は洋服自体も好きでしたが、パーティーや特別な日にドレスアップする海外の文化に憧れていました。
当社はフォーマルウェア・アクセサリーの販売・レンタルを通して、どなたでも気軽にドレスアップができるようお手伝いする事業を展開しています。実は、就職活動をするまで東京ソワールの社名すら知らなかったのですが、入社以来「会社に行きたくない」とか「仕事が嫌だ」と思ったことがありませんし、自社商品に対する愛情を持って日々の仕事を楽しんでいます。これは、自分の「好き」を大切にできる会社に出会えた結果だと思っています。
学生の皆さんには、自分の「好き」を大切にできる仕事は楽しいんだ、とお伝えしたいです。就職活動の際には、社名や企業規模だけにこだわらず、自分の「好き」を見つめ直すことを大事にしてほしいですね。