江戸しぐさ~お心肥(おしんこやし)~

お心肥(おしんこやし)・・・自分の心持をいいます。

人はおいしいものを食べて、体を肥やす事を優先しがちです。
それもいいでしょうが、人の成長期には心を豊かにし教養を身につける事が大事ですね。
人間としての人格向上の為の自己研鑚もありますね。

そんな自分を戒める言葉が江戸時代にあったようです。

それが「お心肥」、体を肥やすばかりでなく自分の心も肥しましょう!という江戸しぐさの戒めです。
それも書物から学ぶだけでなく、手足を動かし自分で体験して考えること。
知識を知恵に変え実践することが重要だと説いています。

心を肥やすためには、感性を豊かにし、常にアンテナを高く張ってあらゆるものに興味や関心を持ち・・・生涯学びの姿勢を持ち続けたのでした。

寺子屋で、読み書き、算盤あるいは、自分の親の職業に関連した「商人往来」「番匠往来」「百姓往来」などの教科書をマスターすると、次のステップで用意されたのが「実語教」という教科書でした。

その書き出しは「山高きがゆえに尊からず、山樹あるがゆえに尊し」次に、「人肥えているがゆえに尊からず、人智あるがゆえに尊し」とあり、具体的な事例を引用しながら修養の大切さを説いています。

立派な商人として大成するためには人格を磨くこと、教養を身につけることにいそしむべきだとお互いに言い聞かせました。
現在にも当てはまりますね。

岸 正則

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